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いろいろな火山

■どんな火山があるでしょう

 

日本列島にはさまざまなタイプの火山があります。一般にはマグマの種類によって火山の形、噴火の様式、噴出物の種類などに違いがみられます。
また同じ火山から異なる活動が生じることも少なくありません。

火山噴火によって様々な災害が発生します


■安山岩質マグマの噴火活動の例―北海道の駒ヶ岳火山

 
日本列島の最も特徴的な火山活動に安山岩質マグマの噴火活動があります。
北海道の駒ヶ岳にはこのタイプの火山活動が見られます。現在の駒ヶ岳は山体が大きく破壊された形をしていますが、約3万年前の大規模な火砕流に覆われる前は大きな山並みが存在していました。その後1640年に活動を再開した駒ヶ岳は山体崩壊から岩屑なだれが発生し、噴火湾に流れ込み津波を引き起こして多数の死者を出しました。引き続き軽石噴火、火砕流が発生して水蒸気爆発も伴い、噴火直後には土石流の発生が続きました。
駒ヶ岳は1640年以降50〜150年間隔で噴火を起こし、最後の大規模な噴火は1929年に発生しています。現在山頂部から山麓にかけて広い範囲を覆うのは1929年の火砕流堆積物です。1942年に山頂部から水蒸気爆発をしてから目立った活動は見られません。


過去に大規模な山体崩壊を繰り返した駒ヶ岳
(写真;宮原もとこ(主婦)提供)


駒ヶ岳火山噴火の推移が現れている海食崖
(写真;遠藤邦彦(日本大学文理学部)提供)

火山の分布と火山のかたち

■火山はどんなところにある?

 
地球上の火山は「火山帯」と呼ばれる狭い帯状に分布しています。地震の発生箇所も帯状に分布ており、その多くが火山帯と一致しています。
火山は火山帯の軸に沿って対称ではなく、火山フロントと呼ばれる線に近いところに最も密に分布し、それより西側(大陸側)へ向かって少なくなります。火山フロントの東側(太平洋側)には火山が存在しません。環太平洋火山帯を含め、多くの火山は同様の分布がみられます。
沈み込み帯型の火山は地球上で最も特徴的な火山のタイプです。第四紀(170万年前より現在まで)に生じた火山の数は地球上で数千に上り、約200は日本列島にあります。そのうち約80の火山が過去2000年間に噴火しています。

■宇宙からみた火山

火山の地形は規模が大きく、また周辺地形と異なり全体的になめらかな斜面が多いため、全体像を把握するには人工衛星の衛星画像が便利です。
現在簡単に入手できるのは日本のMOS-1(もも1号)やアメリカのランドサット、フランスのスポットなどの衛星から撮られた写真です。

北海道の洞爺湖とその南の有珠山。洞爺湖は約10万年前の大噴火で陥没し、カルデラとなったところに水がたまった直径10キロメートルの円形の湖。有珠山の溶岩は粘性が小さいため、周辺部に多くのドーム上の火山地形(溶岩円頂丘)がみられる。

島原半島の雲仙普賢岳の衛生写真。噴煙と火砕流・土石流の分布状況がよくわかる。
(写真;後藤恵之輔(長崎大学)提供)


海底火山と新島の誕生

■海底火山ってなに?

活動火口が海面下にある火山を「海底火山」といいます。陸より面積の広い海には陸上よりも火山の数が多いと推測されますが、深海などではその発見は困難です。
浅い海で噴火が発生すると異変が海面まで達し、海水が白・黄・茶・赤褐色などの変色海域や海面が盛り上がるウォーター・ドームの出現、水柱、水煙、噴煙、岩塊噴出などが見られます。更にその活動が続くと火山島にまで成長することもあります。しかし、その新火山島も噴火停止後は波浪による侵食でまもなく消滅する場合が多く、島として長く残ることは稀です。

■西之島海底火山活動

1974年に東京の南約1000キロメートルの海域に発生しました。
海底火山の誕生
(写真;小坂丈予(東京工業大学名誉教授)提供)
その後は波浪による浸食で新島は小さくなり始めましたが、一部は現在まで存在しています。