バルハシ湖東端部に見られる湖岸侵食
-090807 Eastern part of Balkhash Lake, Kazakhstan-
遠藤邦彦
写真1 バルハシ湖東端部、南岸の地形
撮影:090812
バルハシ湖はユウラシア大陸の中心に位置する巨大な内陸湖で、琵琶湖の20倍ほどの面積を有する。同じカザフスタンに位置するアラル海と異なり、近年もその広がりを維持している。以下は2009年8月に行った調査からの報告(第1報)である。
ここ数年の湖面上昇傾向のもとで、ストーム時には激しい波が湖岸に打ち寄せ、砂礫洲やラグーンの地形を侵食している。
写真2−7 バルハシ湖東端部、カラシュガン北ラグーン1地点
湖岸から沖合に枯死した植生のゾーンが列をなして存在。かつて礫洲の堤間に生育していたタマリクスなどの植生が水位上昇と湖岸侵食によって枯死林として水中に残されたもの。極めて近年の水位上昇と激しいストームを物語る。
撮影:090813 |
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写真2
湖岸から沖合の浅瀬に露出する枯死木 |
写真3 |
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写真5
侵食されたラグーンの跡 |
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写真7
湖側から陸側をみる。
比高2.5m程の砂礫洲の地形も、湖岸侵食により削り取られ、崖となっている。 |
写真8,9 現在の陸上の植生
このような植生が沖合まで存在した。
撮影:090813
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写真10 バルハシ湖東端部、南岸側にある湾入部、カラシュガン付近
今は使われていない船着き場付近に取り残された廃船(左端:写真11に示す).かつての水位低下で、陸上に取り残されたもの。
1960-1970年ごろは水位は約2mほど高かった。
1980-1990年代末まではやや湖水位は低かったが、10年ほど前からやや上昇傾向にある。
撮影:090812 |
写真11 カラシュガン付近の廃船(ソ連時代)
当時の水位は1-2m前後は高かったはずである
撮影:090812 |
更新日:090902