2008年8月9日富士山初冠雪2008年8月27日,甲府地方気象台から9日に富士山の初冠雪を観測したと発表された.平年より53日、昨年より58日早く,1914年8月12日の記録を抜き,観測史上最も早い観測となりました. 「初冠雪」とは,その年の日平均最高気温が記録された日以降に,麓から山頂が白く見えた時のことを言います.この夏,富士山での日平均最高気温は7月21日(10.6℃)でした.また,それは雪でなくても構わず,今年は日中に降った「雹」でした. ただし,この後,日平均最高気温が10.6℃を上回る日があれば,8月9日の「初冠雪」は取り消しになります. 更新日:080903 ↑このページの最初へ
湖底ボーリング カザフスタン8月にカザフスタンのバルハシ湖において調査を行いました.目的はバルハシ湖とその周辺の乾燥・半乾燥地域の環境変遷を明らかにすることです.調査は,日本大学文理学部,大阪市立大学,奈良女子大学とカザフスタンの地質研究所の協力で実施されました.この調査は総合地球環境学研究所のイリ・プロジェクトの一環で行われました. その調査風景を幾つか紹介します. バルハシ湖はユーラシア大陸のほぼ中央に位置し,天山山脈から流下するイリ川の最下流部にあります.琵琶湖を縦にして7つくらい並べたような細長く巨大な湖です. ここで調査船を借りて,音波探査やコアの採取を行いました.数地点で写真のようなコアが採取されました.以上,とりあえず第1報です. 更新日:080902 修正日:080903 ↑このページの最初へ
富士山の雪にダスト6月初旬頃から富士山の雪は急速に溶けていますが,やはり今年は昨年と同様雪の量が多く,この時期としては残雪の量が多いようです.新五合目の駐車場の脇に残っていた雪にはダストの層が何層も見られました(6月6日). ダストには砂粒大の黒色粒子(スコリア)が混じっていて,表面にはこれらが浮き出たようになっています(写真1).強風の吹く富士山では降った雪が地表の土壌粒子(スコリアを主体)と共に再移動し,吹き溜まりに溜まっていくような過程が起こっていると考えられます. 表面を削った内部は褐色の層が数層見られ,褐色の元は非常に細かな粒子です.削ったあとしばらくすると雪の最下層には細かな褐色の粒子が表面にべったり張り付いたようになります(写真3).上の方には雪が溶けた氷の薄層が見られます. このようにダストにもいろいろなものがありますが,大陸起源の黄砂も含まれている可能性があります. 5月に比べ,6月に入って富士山の雪は随分後退しています.この前後の様子を,富士山監視ネットワークの画像で比べてみました(詳しくは『富士山観測プロジェクト,富士山の雪』へ). ↑このページの最初へ
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3月21日に富士山で発生した高積雲山川修治 3月21日,富士山の南麓で続々と雲が湧き上がる様子が富士山の西側から見られました(画像は富士山監視カメラ:日本大学生物資源科学部富士自然教育センター(田貫湖)より).一見噴煙のようでしたが,そのでき方の解説は以下の通りです.画像にみられるのは吊し雲で,時々,笠雲とセットで出現しました。
この日,発達した低気圧が関東の南東方にあり,北東ないし北北東の強風が吹いており,しかも高度別にみて,山頂付近に風速の極大がある状況(約25m/s;河口湖のウインドプロファイラで確認)のもと,富士山の風下側(南西または南南西)では乱気流が発生し続け,しかも対流圏全層で大気が不安定な状態であったため,高く立ち昇る高積雲(積雲形成過程で強風のため雲頂部がレンズ状となる)が生じたものとみられます。笠雲が山頂部にかかるということは山頂付近に安定層ができているわけですが,それにより山腹を迂回する流れが助長され,この迂回する流れの風下合流ポイントが高積雲の発生点となり,その渦(低気圧性循環が優勢のため反時計回りの渦)が巻き上がって高積雲を続々と形成したと考えられます。 更新日:080402 ↑このページの最初へ
富士山の1,2月の積雪の比較
東から南斜面は,特に雪が少なかった2005年1月上中旬は地肌が見えるが,一度雪が積るとマットな質感を保つ.
一方,西から北の斜面では,雪が降った直後はマットになるが,すぐに地肌が現れる. 更新日:080213 ↑このページの最初へ
多摩丘陵のカキ礁現在は海から遠く隔てられた多摩丘陵にある八王子市ですが,150万年前の前後には,海がこの付近まで浸入したり(海進)、海が退いたり(海退)を繰り返していました. 写真は小山田層に見られるカキ礁の跡で,海が浸入していた事の最も強力な証拠です.カキ礁は潮間帯に形成されることが知られており,この付近に海面があったことを意味します.カキはマガキですが,ほとんど合弁のマガキばかりからなり,この場所に生息していた状態から泥の中に押しつぶされたような様子が見て取れます. この約6m下位には厚さ数mの礫層があり,扇状地に海が浸入してきた過程が頭の中に浮かんできます. 遠藤邦彦 撮影更新日:080125 ↑このページの最初へ
津軽半島のAT火山灰と埋没林青森県津軽半島の日本海側に沿って南北に伸びる出来島海岸には,海食崖に最終氷期以降の泥炭層が露出しています.その中には樹木の根株が並んでいるところがあり,かつて森林が存在したことがわかります(埋没林と呼ばれる).根株のすぐ上を覆うように薄い火山灰層が認められます.厚さは僅か1-2mmで,細い線を引いたような感じです(中央の写真の真ん中付近).この火山灰は鹿児島県の姶良カルデラから2.6〜2.9.万年前に噴出したAT火山灰[姶良Tnテフラ]です.東京都世田谷区で認められたAT火山灰については2007.7.27の記事参照.詳しくは日本大学文理学部自然科学研究所「研究紀要」を参照. 遠藤邦彦1980年 撮影更新日:080115 修正日:080121 ↑このページの最初へ
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