Q5 富士山では笠雲以外にどんな雲が出来ますか?A5参考文献・日本気象学会(1974)気象研究ノート.(18),141p. ・湯山生(1972)富士山にかかる笠雲と吊し雲の統計的調査.研究時報,24,63-68. ・木澤綏・飯田睦治郎・松山資郎・宮脇昭(1969)富士山 自然の謎を解く.NHKブックス91,253p. ・岩波書店編集部(1951)雲・岩波写真文庫20,64p. ↑このページの最初へ
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過去最大瞬間風速 | 103.2m/s | 1934年4月12日 | アメリカ ニューハンプシャー州 ワシントン山(1010m) |
発達し た低気圧に伴うトルネード通過時に生じたとみられる〔3〕 | WP=666kg/m2 | |
日本の最大瞬間風速の極値 | 平地 | 85.3m/s | 1966年9月5日 | 宮古島 | 台風6618号「第2宮古島台風」 | WP=455kg/m2 |
山岳 | 91.0m/s | 1966年9月25日 | 富士山山頂 | 台風6626号による〔3〕 | WP=518kg/m2 |
今回のカトリーナは,最強中心示度902hPaという確かに希にみるハリケーンでしたが,このレベルの熱帯低気圧は数年に1度程度,熱帯海洋のどこかで現れます.
海水温の上昇が明瞭な年にはその危険度が高まります。その典型が今回のカトリーナといえるでしょう.
【参考文献】
〔1〕高橋浩一郎(1968):『気象災害論』地人書館,74p.
〔2〕朝倉正ほか編(1995):『気象ハンドブック』朝倉書店,678p.
〔3〕Ayscue,J.K.(1996):Hurricane damage to residential structures: risk and mitigation.
http://www.colorado.edu/hazards/wp/wp94/wp94.html
回答者:山川修治 〔気候・気象システム科学教室〕
Q3 アスベストってなんですか?
A3
アスベスト(石綿)は肺がんや中皮腫を引き起こすきわめて危険な物質として最近注目を集めている.アスベストとはどのような物質なのだろうか.
アスベストとは,人工物ではない.長い地球の歴史とともに自然界に存在してきた純然たる鉱物である.鉱物のうち繊維質の形態を示すもので,一見植物の綿のようにみえるので「石綿」の別名がある.耐火性などがあるため,過去にはさまざまな用途に使用されてきた.学校の理科実験で使うガスバーナー用の金属網の一部であるとか,建物の壁など,われわれのきわめて身近で大量に使われてきた.その意味でアスベストと接しなかった人はむしろ稀なのではないだろうか.それが,潜伏期間30年以上という長い期間を経てその凶暴な牙をむくとは,これは恐怖以外のなにものでもない.
石綿はその色調の違いから,白石綿,青石綿,茶石綿に分けられる.これらは同じ鉱物ではない.白石綿はクリソタイル,青石綿はリーベック閃石,茶石綿はグリュネ閃石である.現在の世界における石綿の生産量のうち,95%が白石綿,残りの5%が青石綿および茶石綿である.毒性は青石綿や茶石綿の方が白石綿よりも高いといわれている.
クリソタイルは蛇紋石の一種であり,繊維状の形態を示す.化学組成はMg3Si2O5(OH)4である.蛇紋石はマグネシウムかんらん石(Mg2SiO4)が比較的低温で水(H2O)と反応することで生ずる.マントル物質であるかんらん岩が水と反応すると蛇紋石からなる蛇紋岩が形成される.
リーベック閃石はアルカリ角閃石の一種であり,その化学組成はNa2Fe2+3Fe3+2Si8O22(OH)2である.リーベック閃石は閃長岩などのアルカリに富む深成岩に含まれる.
グリュネ閃石は鉄マグネシウム角閃石の一種であり,その化学組成はFe7Si8O22(OH)2である.グリュネ閃石は鉄鉱石(磁鉄鉱や赤鉄鉱)が変成作用を受けると形成される.
アスベストは特殊な鉱物ではなく,鉱物としてはごく普通のものである.それが繊維状の異物として肺に取り込まれることで潜伏期間30年といわれる肺ガンや中皮腫の原因となる.環境物質としての鉱物と生体の関係については,まだまだ不明の点が多い.今後の研究が必要である.
回答者:高橋正樹(火山・岩石学研究室)
Q2 津波はどうして起こるのですか?
A2
多くの津波は海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むプレート境界部の海底で地震が起きると発生します.地震により海底が隆起したり沈降したりするのに伴いその上の海面の高度が変化し,地震の発生源を中心に波が四方に広がります.これが津波です.津波は水深が深いと波が伝わる速度が大きいのですが,水深が浅くなると減速します.しかし,速度が遅くなったぶん海面は高まり,巨大な波の壁となって陸を駆け登ります.津波の動きは陸に近い海底の地形に大きく左右され,岬や陸上のV字型の谷では波が集中して津波の高さが高くなります.河川は津波が侵入しやすいので,海岸から離れていても海に近い河川沿いでは津波による被害に注意する必要があります.また,津波はふつう何度も押し寄せてきて,第1波よりも第2波の方が大きいこともあるため,長時間の警戒が必要です.
詳しくは「地震災害」>「津波災害に備える」のページへ
回答者:宮地直道(環境・防災研究室)
Q1 笠雲はどうしてできるのですか?
A1
回答者:遠藤邦彦(第四紀地球環境研究室)
参考文献・日本気象学会(1974)気象研究ノート.(18),141p.
・湯山生(1972)富士山にかかる笠雲と吊し雲の統計的調査.研究時報,24,63-68.
・木澤綏・飯田睦治郎・松山資郎・宮脇昭(1969)富士山 自然の謎を解く.NHKブックス91,253p.
・岩波書店編集部(1951)雲・岩波写真文庫20,64p.
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