ある火山学者のひとりごと |
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20007. 2025年02月05日 22時31分46秒 投稿:Mr.T |
有難うございました。ゆっくり読ませて頂きます。 最近,火山岩や火砕岩に詳しい方が周りにおられなくなり,やむなくAIに聞いてもイマイチのことが多く困っていました。 お言葉に甘え,早速質問させて頂きます。 カッパドキアの奇岩のキノコ岩についてお尋ねします。キノコ岩を構成する地質は何でしょうか? 全体的には珪長質な火砕流堆積物と思えるのですが,写真によっては層理が発達しており,一般的な火砕流堆積物に見えない場所もあります。 また,上部の傘にはしばしば暗色部がありますが,これは藻類の影響であり苦鉄質のためではないようですが? |
20006. 2025年02月04日 13時28分49秒 投稿:千葉 |
アグロメレート (Agglomerate) と アグルチネート (Agglutinate) の違い■ アグロメレート (Agglomerate) アグロメレートは、日本語では 集塊岩 と訳されることが多く、岩相分類的な用語 です(Fisher & Schmincke, 1984)。 火山噴火によって生じたスコリアや火山弾、岩片などの火砕物が、比較的大きな塊状を形成したものを指します。特に、爆発的噴火に伴うスコリア丘やストロンボリ式噴火の降下物に多く見られる ことが特徴です。比較的弱い焼結が進んでいる場合もあり、固結度はさまざまです。 学生巡検で「岩さい集塊岩」という言葉を最初に耳にしたのは、伊豆大島のイマサキ海岸の溶岩上に見られるアアクリンカーからスコリアラフトに由来する赤黒い角礫岩でした。この堆積物は、海岸の近くにもかかわらず荒波に耐えており、弱溶結または焼結している ように見受けられました。 一方、火山礫凝灰岩や凝灰角礫岩も似た特徴を持ちますが、これらは 地層中に見られるときに用いられる 用語です(Cas & Wright, 1987)。 ■ アグルチネート (Agglutinate) アグルチネートは、成因分類的な用語 であり、火口近くで火山弾やスパッターが急速に堆積し、高温のまま再結合し弱溶結した火砕堆積物 を指します(Schmincke, 2004)。 見た目が溶岩流と類似することがありますが、火山弾が変形した痕跡が残っているため、詳細な観察によって識別できます。このような流動変形が進んだものは レオモルフィズム (Rheomorphism) と呼ばれ、遠くまで流動した場合には 溶岩流と区別がつかなくなることもあります(Sumner, 1998)。 また、火口から遠く離れた地点では、溶結降下火砕物 へと移行することもあります。私がこの用語を最初に聞いたのは 三原山の登山道 で、安永噴火による火山弾の集合体がありました。これは落下後に一体化し、荒牧重雄先生が「こういうものをアグルチネートと呼ぶ」と説明されていた 1980年頃の出来事でした(Aramaki, 1984)。 その当時は、アグルチネートと溶岩流を明確に区別していなかった 可能性があります。たとえば、富士山の山頂を御鉢巡りすると、最上部には 座布団のような溶岩に見える堆積物 が見られますが、これは 約2200年前の最後の山頂噴火の際のアグルチネート です(Miyaji et al., 2011)。 しかし、津屋 (1968) の富士山地質図では、この層を 「富士山頂最上部溶岩層」 と記載していました。当時は、こうした堆積物が 火口近くの溶結スパッター堆積物 (agglutinate) であることが認識されていなかった ことがうかがえます。 参考文献 Aramaki, S. (1984). "Formation and Evolution of Japanese Volcanoes." Bulletin of Volcanology, 47, 649-658. Cas, R. A. F., & Wright, J. V. (1987). Volcanic Successions: Modern and Ancient. Springer. Fisher, R. V., & Schmincke, H. U. (1984). Pyroclastic Rocks. Springer. Miyaji, N., et al. (2011). "Recent Eruptions of Fuji Volcano: 2200 Years of Explosive Volcanic Activity." Journal of Volcanology and Geothermal Research, 207, 1-15. Schmincke, H. U. (2004). Volcanism. Springer. Sumner, J. M. (1998). "Formation and Transport of Clastogenic Lava Flows." Bulletin of Volcanology, 60, 195-212. 津屋弘達 (1968).富士火山の地質,富士山学術研究報告書 富士急行. |
20005. 2025年02月04日 11時41分04秒 投稿:千葉 |
Mr.Tさん> お問い合わせをありがとうございます ■アグロメレート は 集塊岩 と訳されて います 成因分類ではなく 岩相分類的な用語です 学生巡検で 岩さい集塊岩 という言葉を最初に耳にしたのは 伊豆大島のイマサキ海岸の溶岩の上の アアクリンカー から スコリアラフトの赤黒い角礫岩でした 海岸の近くなのに 荒波に耐えていたので 弱溶結 焼結した感じでした 火山礫凝灰岩 や凝灰角礫岩 とも 似ていますが こちらは地層中に見られるときに使用します ■アグルチネート 火口近くで火山弾やスパッターが急速に堆積し 弱溶結した堆積物のことです 成因分類的な用語です 断面だけを見た場合に 溶岩流のように見える場合もあります 詳しく見ると 変形した火山弾などの組織が残っているので区別がつきます これが流れた場合には レオモルフィズム とよびます 遠くまで流れたらそれは溶岩流です 場合によっては火口から離れた部分で 溶結降下火砕物に移行することもあります 最初にこの言葉を聞いたのは 三原山に登る登山道で安永噴火の火山弾の集合体でした 落下後に全体に一体化しており 荒牧先生がこういうものはアグルチネートと呼ぶのだと 1980年頃のことです そのころまでは 溶岩流と区別せずにいたのだと思います 富士山の山頂を御鉢周りをすると 最上部に座布団のような 一見すると溶岩のような 堆積物があります これは 約2200年前の最後の山頂噴火の際の アグルチネートなのですが 津屋先生の1968年の地質図では 富士山頂最上部溶岩層と記載されていました とりいそぎ |
20004. 2025年02月02日 15時24分53秒 投稿:Mr.T |
地質用語のagglomerateとagglutinateの違いについて教えて下さい。 |
20003. 2025年01月15日 14時56分43秒 投稿:千葉 |
テスト |
20002. 2023年10月03日 09時08分30秒 投稿:千葉 |
なかなか機種変更は大変。並べればOKのはずが、esimの設定で詰まった。二重認証で、電話宛に番号を送るのだから、取れないと先に進めない。結局、ショップに救援を頼んで、終了。 最初に多重認証をOFFすべきでしたね。 |
20001. 2023年07月11日 17時48分47秒 投稿:おやまだ [https://www.cnn.co.jp/travel/35171674.html] |
ドローンが撮影した映像。 迫力が違いますね。 ドローンを大量に購入できれば、数台は火口に突っ込むようにして、このような画像を撮影したいです。 (見方を変えれば、ドローンを地球に戻しているのですね) |
19999. 2022年11月29日 08時04分15秒 投稿:おやまだ [https://www.msn.com/ja-jp/news/world/e3-83-8f-e3-83-af-e3-82-a4-e3-81-a7-e4-b8-96-e7-95-8c-e6-9c-80-e5-a4-a7-e3-81-ae-e6-b4-bb-e7-81-ab-e5-b1-b1-e5-99-b4-e7-81-ab-38-e5-b9-b4-e3-81-b6-e3-82-8a-e3-80-81-e4-bd-8f-e6-b0-91-e3-81-ab-e6-b3-a8-e6-84-8f-e5-96-9a-e8-b5-b7/ar-AA14EIZj] |
ハワイで世界最大の活火山噴火 38年ぶり、住民に注意喚起 ハワイ島にあるマウナロアが27日深夜、38年ぶりに噴火したとのことです。 |
19998. 2022年10月31日 20時19分54秒 投稿:Mr.T |
ちば様 話題を変えまして, 大山弥山ドームは溶岩ドームの中でも際立って大きいそうです. ブログ「興味の火山・岩石」の最新の話題です. https://ameblo.jp/hsato47/ |
19997. 2022年10月31日 12時35分05秒 投稿:ちば |
Mr.Tさん やはり火砕流のほうが、致死的な危険性が高いんでしょうね 同感です 降下軽石のキャストがポンペイの悲劇の証拠として 有名になった。ポンペイ以外では、埋まっていないので 特殊なことがあったんでしょうね リンクは失礼しました 修正しておきます |