第四紀露頭ニュース

(1996年10月7日更新)


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No.1 田沢湖底 1996年10月3日 千葉達朗(アジア航測)

田沢湖の湖底段丘が大規模に露出

多数の埋没樹木化石を包含

象の足跡かもしれない痕跡を確認

現在、田沢湖の水位が約2m低下しています。これは今年の夏の雨不足によるものとのことですが、 そのため 東岸では、幅約500m長さ約3kmの広大な湖底が露出しました。 この東岸付近の湖底には広く段丘が発達しており、そのため約1万3千年前の地層が広く露出しています。 岩相は、シルト・泥炭・砂・軽石などの互層からなりますが、 大量の樹木化石を含んでいます。現在、直径20cm(厚さは5cmに偏平化) 長さ3〜5m程度の針葉樹の倒木が多数露出しています。 また、シルト層表面には化石サンクラックもあり、 表面には何らかの 巨大な動物(象?)の足跡のようなものも見られます。
これらの地層は湖に流入する水が増加すれば水没する運命にありますし、水位が上昇しない場合には、 近いうちに雪によって埋没あるいは凍結融解で破壊されてしまうのは間違いないと思われます。残された時間はあと1ヶ月程度です。関心をお持ちの方はぜひ訪れ、 調査されると良いと思います。