安達太良火山の最近の状況について
(1997年5月10日更新)
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概 要
1997年の雪解け後、4月25日に気象庁が実施した現地調査によって、昨年9月に確認された、3ヵ所の泥水噴出孔は活動をすでに停止しており、新たに異なる位置に泥水湧出口が生じていることが確認された。
- 福島地方気象台の定期火山情報(4/28) 福島新報による
- 特に火山活動は活発化していない(火山性微動は昨年秋以降なし)。
- 現地観測によると、泥水噴出口が北側に移動した。噴出口は直径約4m、深さ約70cm、内部の温度は90度。
- 沼ノ平南西部に硫化水素、炭酸ガスの噴気地帯が広がり、約60度の流水も確認。
1997年5月2日の状況(現地写真)
鴨志田さんの現地調査のコメントと写真を紹介します。
- 住鉱コンサルの鴨志田さんのコメント(メール原文のまま)
- H8.9.1泥噴出口、H8数回みられた泥水湧出口(例の探検王国のやつです)は活動を停止。その北側に約60-70mのところに新しい泥水湧出口が2ヶ所できた。
- 新しい泥水湧出口は、いずれもボコボコと絶えずガスを放出している。但し、泥水が湧き出している様子が見られない(噴出口から溢れ出ていないでただ、ボコボコしているだけ。少なくとも今日はそうだった)。
- 新湧出口のうち大きい方は、径3.5-4mで陥没、深さ約60cm。周囲には濃青灰色の粘土質の泥が堆積(半固結状態。ネチャッ、という感じ)。噴出口内は泥水が溜まっており、2ヶ所から絶えずガスがボコボコと噴いている。足場が悪く直接触れなかったが、ガスのなま暖かさから泥水温度は50-60度位かと思う。
- もう一つの小さい方は、丘状で直径約3m、高さ25cmくらい。中央部に浅いくぼみ(直径約40cm)があり、縁一杯まで泥水が溜まっていて、絶えずボコボコとガスがでている。こちらは泥水の温度は低く摂氏12度(温度計使用)であった。
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全景写真
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定点撮影による昨年との比較
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新泥水噴出孔その1
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新泥水噴出孔の奥の拡大
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新泥水噴出孔その2
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噴泥のQTムービー
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1996年11月30日の状況(ヘリコプターからの斜め写真)
写真の撮影は中日本航空の鈴木浩二さん
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全景写真
泥水の流出孔の位置に注意
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地熱地帯の拡大映像
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千葉のコメント
- 泥水湧出口の位置は、すでに今年の位置のようである。
- 融雪域の形状がほぼ真円形、地下の熱源が点状あるいは球状であることを示す?