火山学的にまじめに考えるページ |
また、火山弾は落下するときに燃えているわけではない。実際の火山弾は、マグマのじぶきが噴泉からちぎれ飛んできたもので、飛行中に外側が冷却し、黒く見えることが多い。確かに、夜間や落下直後の内部などは、赤く見えるが、それもその温度が高いことによるもので、決して何かが燃えている炎のために赤いのではない。
また、火山弾は火口での爆発によって飛行を開始するから、ある程度以上のサイズになると放物線を描いて飛行・落下してくる。したがって、火口の真上でない限りは垂直上方から落下してくることはない。
また、落下した後の火山弾は壊れるわけでもめり込むわけでもなく、ただゴロンと転がっただけだったが、実際の火山弾は、斜め上方から、空気を切り裂くような音を出しながら落下し、着地点で破片となって飛び散ったり、擦り鉢型のクレーターを作ったりする。
垂直上方から落下することが仮にあったとしても、かなりの速度で走行中の車の水平速度成分が合成され、走行中の車から見れば斜め前方から落下してくるように見えるはずである。落下速度は200km/h以上にはならないし、車の速度は100km/h程度にはなるので、無視できるレベルではない。したがって、火山弾が助手席の天井に穴をあけ、そこだけに被害がおよぶように落下することは、ほとんどあり得ないと思う。